「代々使ってきた土地だけれど、使わないから相続放棄をしたい」
こう思っている方は多いかもしれませんが、相続放棄した土地はどうなるのでしょうか。
本記事では、土地の相続放棄をお考えの方に向けて、相続放棄をした後のことについて解説します。
被相続人が所有していた土地は、相続放棄をすることによって所有権を放棄できます。
しかし、相続人であれば相続放棄をしたとしても土地の管理義務がなくなるわけではありません。
相続放棄をした人も、次に相続人になった方が土地を管理できる状態になるまでは土地の管理をしなければならないのです。
では、次に相続人になる人はどんな人なのでしょうか。
法定相続人になるのは、配偶者と血族相続人です。
血族相続人は第三順位まで決められており、相続放棄をすると次の順位の人に相続権が移ります。
順位の決まりを以下に示します。
・第一順位は子どもで、亡くなっていれば孫が相続人となる
・第二順位は直系血族で、父母や祖父母が当てはまる
・第三順位は兄弟姉妹で、亡くなっていれば甥姪が相続人となる
相続放棄をすることによって新しく相続人になる方には、あらかじめ連絡をしておきましょう。
連絡をして土地の管理を引き継がないと、ご自身がいつまでも管理義務を背負うことになります。
もし全ての方が相続放棄をした場合には、相続する方がいなくなってしまいます。
そんな時は家庭裁判所に申請して、相続財産管理人を選定してもらう必要があります。
相続財産管理人とは、相続人のいない財産を管理する方のことです。
相続放棄した方が管理義務を怠った結果その周辺住民に被害が生じた場合、損害賠償請求を受ける可能性があります。
具体的には、相続したマンションの部屋のメンテナンスを怠った結果、発生した雨漏りが近くの住民に被害を与えてしまったというケースが考えられます。
また、ブロック塀を修繕しないまま放置した結果、倒壊して通行人に怪我をさせてしまった場合は、相続放棄をしていたとしても他の相続人が管理を始められる状態になるまでは責任を負う必要があります。
相続放棄をした人も、次に相続人になった方が土地を管理できる状態になるまではメンテナンスをする義務があります。
もし管理を適当にしてしまうと近隣の方に迷惑をかけてしまい、損害賠償請求を受ける可能性があるので注意してください。