住宅ローンの返済は、多くの人にとって大きな負担です。
住宅ローンの返済が滞った場合、さまざまなリスクを生み出してしまいます。
この記事では、住宅ローンの返済に困ったときのリスク、そして、リスクを回避するための具体的な選択肢を解説します。
1:1~2か月延滞すると「督促状」が届く
住宅ローンの支払いが1~2か月滞ると、金融機関から督促状が届きます。
督促状には、期日までに未納金額と延滞損害金をお支払いくださいという旨が記載されています。
この段階では、まだ大きな問題には発展していませんが、支払いの見通しが立たない場合は、早急に金融機関に連絡し、相談することが重要です。
なぜなら、住宅ローンを一度でも延滞すると、金利が上昇する可能性があるからです。
一般的に住宅ローンの金利は、金融機関の店頭で公表している金利と比べて割安になるように優遇されていますが、住宅ローンを延滞するとその優遇が受けられなくなる場合があります。
ローンの金利が上昇すると、返済総額が大きく変わってしまうため注意が必要です。
2:3か月以上滞納すると一括返済の請求が届く
支払いの延滞が3か月以上続くと、「期限の利益の喪失」によって一括返済を求める請求が届く可能性があります。
期限の利益とは、住宅ローンを分割で返済できるという利益のことを指し、支払いが滞ることでその利益がなくなってしまうのです。
一括返済を求められた場合、現実的に支払える人はほとんどいないでしょう。
多くの場合は、保証会社が一括返済を行い、債権者が金融機関から保証会社へと移り変わることになります。
その後は、新しい債権者である保証会社に対して住宅ローンの残債を支払わなければなりません。
3:滞納が長期化すると競売にかけられる
住宅ローンの返済が滞り続け、保証会社からの請求にも応じられない場合は、最終的には競売にかけられる可能性があります。
競売とは、裁判所が不動産を売却し、その売却代金で債権者に返済を行う手続きです。
競売が行われると、家は強制的に売却され、住んでいた家は手放さなければなりません。
さらに、競売では売却代金が債権者に返済された後、残りの代金は債務者に返還されますが、売却代金が債権者への返済額に満たない場合は、債務者は残りの債務を負うことになります。
1:金融機関に相談する
住宅ローンの返済が困難になった場合は、早めに金融機関に相談することが重要です。
担当者に相談することで、返済条件の見直し(リスケジュール)に応じてくれる可能性があります。
2:住宅ローンの借り換えを検討する
金利が高い時期にローンを契約している場合は、住宅ローンの借り換えによって返済額の軽減が期待できます。
ただし、借り換えによって返済額が軽減される効果を得られる目安があります。
・借り換え前後の金利差が年利1%
・借入残高が1,000万円以上
・残りの返済期間が10年以上
3:家の売却を検討する
住宅ローンを払えない場合は、家を売却するのも選択肢の一つです。
売却価格によっては、住宅ローンを完済できる場合があります。
不動産会社に自宅の査定を依頼し、高く売れそうなら仲介を依頼しましょう。
住宅ローンの返済が困難になった場合は、早めに対策を検討することが重要です。
まずは、収入アップや家計改善に取り組み、返済資金を確保できるよう努力しましょう。
それでも返済が難しい場合は、金融機関に相談し、リスケジュールや借り換えなどを検討しましょう。
最悪の場合、家の売却も選択肢の一つとなりますが、任意売却など、競売よりもリスクの低い方法もあります。