不要な財産を相続する場合においては、相続放棄を行うことも考えられるでしょう。
利用する予定がない場合であっても空き家を相続した場合は、相続人に管理責任が発生します。

今回は空き家を相続した場合の管理責任や、空き家の管理を怠った場合に生じる問題についてご紹介します。

□空き家の管理責任とは？

相続によって空き家を手に入れた場合は、管理責任の義務が発生します。
相続を拒否する場合は、相続放棄という扱いになって相続した全ての財産の放棄を行うことになります。
この場合、不動産や土地だけでなく、負の財産である借金も放棄できます。
相続放棄を行うことで、管理責任も次の相続人に引き継がれる形となります。

この際、次の相続人に完全に財産が引き継がれるまでの間は、その前に相続をした人に空き家の管理責任が伴います。
全ての人が相続放棄を行い、次の相続人がいない場合は、管理だけ義務として行わなければなりません。

相続人が完全に居ない場合には、財産である空き家の管理を行う相続財産管理人の選出が必要になります。
相続財産管理人が選出されるまでは、元々の財産の相続人が管理を行わなければならない点には注意が必要です。

□空き家の管理を怠るとどうなるのか？

空き家の相続をした場合や、相続放棄を行った場合でも空き家の管理が必要だとご紹介しました。
仮に空き家の管理の義務を怠った場合はどのようなリスクがあるのでしょうか。
次の項目からは、空き家を管理しない場合に起こり得るトラブルをご紹介します。

考えられるトラブルに関しては下記のことが挙げられます。

・ゴミや不用品の散乱
・設備の劣化による危険性
・犯罪リスクの上昇

人の住んでいない空き家には、ゴミや不用品の不法投棄が考えられます。
人がいないと思われ、ゴミを捨てても問題ないと考える人がゴミ置き場にしてしまいます。
場合によっては、ゴミが溜まり続け周辺の景観の悪化や悪臭の発生に繋がりかねません。

また、人が住んでいない住宅は人が住んでいる場合よりも劣化が激しいです。
適切な管理が行き届いていないことで、湿気やカビが生じて住宅の劣化を早める原因となります。

場合によっては不法侵入によって空き巣に入られることも考えられます。
空き家のトラブルで最も危険とされる犯罪や危険の温床になる可能性もあります。

□まとめ

空き家の管理責任は、財産を相続した相続人に義務づけられます。
相続人が居ない場合は、相続財産管理人を選出する必要があり、選出されるまで前の相続人が管理を行う必要があるとご紹介しました。

また、空き家の管理を怠ると、地域環境の悪化や犯罪などのトラブルの原因となりますので、空き家の管理には注意が必要です。