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土地越境には時効がある!トラブルを避けるための基本知識と解決手段とは?

土地や不動産の所有は、多くの人にとって一生に一度の大きな投資です。
しかし、この貴重な土地で起こる「越境」や「境界トラブル」は、頭の痛い問題となり得ます。
特に、法的な知識が乏しいと、小さな問題が大きなトラブルに発展する可能性があります。

この記事では、土地の越境トラブルとその解決手段に焦点を当て、安心して土地や不動産を所有・管理できるようにサポートします。

□土地越境と時効の基本知識

1.越境とは
越境とは、簡単にいえば、あなたの土地の境界を超えて何らかの物が侵入している状態を指します。
例えば、隣の家の木があなたの土地に枝を広げている場合、それは越境です。
このような状況は、特に都市部や住宅密集地でよく見られます。
越境は、道路境界や隣地境界など、多くの種類が存在するため、一概にはいえませんが、基本的には境界線を超えているもの全てが該当します。

2.時効と越境の関係
越境問題には「時効」という法的な要素が絡んできます。
時効とは、一定期間の経過によって、権利や義務が変化する法的な制度です。
土地の越境においては、特に「長期取得時効」と「短期取得時効」が重要です。

長期取得時効は、20年以上の越境が続いている場合に成立します。
短期取得時効は、10年以上の越境が続いている場合に成立します。
これらの時効が成立すると、越境していた部分の所有権が移動する可能性があるので注意しましょう。

3.時効成立のリスク
時効が成立すると、その土地の一部を失う可能性があります。
これは、土地の価値だけでなく、将来的な販売や相続にも影響を与える重大な問題です。
時効成立を防ぐためには、越境を早期に発見し、適切な対応を取る必要があります。
放置してしまうと、後で取り返しがつかなくなる場合もありますので、注意が必要です。

□境界トラブルの解決手段

1.当事者同士の話し合い
最も簡単な解決手段は、当事者同士での話し合いです。
新しい境界線の設定や、隣接地の買い取りなど、柔軟な解決策が見つかる場合もあります。
しかし、話し合いで解決できない場合もありますので、その際は他の手段を考慮する必要があります。

2.公的機関への相談
自治体や法務局では、境界トラブルに関する無料相談を行っています。
専門家の助言を得ることで、問題解決に近づく可能性が高まります。
特に、法的な手続きが必要な場合は、このような公的機関のサポートが非常に有用です。

3.境界問題相談センターの利用
土地家屋調査士会が運営する「境界問題相談センター」も、有用な相談先です。
専門家の意見を聞くことで、より確実な解決が見込めます。
地域によっては、専用の相談センターが設置されている場合もあります。

4.筆界特定制度と裁判
最終手段として、裁判を起こす選択肢もあります。
しかし、裁判は時間と費用がかかるため、他の手段で解決できない場合に限定されます。
その前に、筆界特定制度を利用して、土地の境界を明確にすることも一つの方法です。

□まとめ

土地の越境トラブルは、放置すると時効が成立し、所有権が移動する可能性があります。
早期の発見と適切な対応が必要です。
また、境界トラブルの解決手段としては、当事者同士の話し合いから裁判まで、多くの選択肢があります。
どの手段が最適かは、状況によりますが、専門家の助言を得ることで、より確実な解決が可能です。