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相続法改正!遺留分制度の変更点とその影響を解説!

相続法の改正が行われ、遺留分制度にも大きな変更がありました。
この記事では、その変更点とその影響、相続法改正前後の遺留分の消滅時効について解説します。
相続に関わる一般の人々にとって、この情報は非常に価値のあるものとなるでしょう。

□相続法改正と遺留分制度の変更点

1.遺留分に基づく請求権の金銭債権化
2018年の相続法改正により、遺留分制度は大きく変わりました。
以前は、遺留分を侵害された相続人は「遺留分減殺請求権」を行使して、相続財産そのものに対する物的権利を請求できました。

しかし、新たな制度では「遺留分侵害額の請求権」に変更され、金銭での請求が可能となりました。
これにより、共有物の分割や財産処分のプロセスを経ずに、スムーズな解決が可能となりました。

2.具体的な影響
例えば、遺言書に「A不動産をB子に相続させる」と記載があった場合、改正前はこの不動産が共有状態になる可能性がありました。
特に、被相続人が会社経営者で、A不動産がその会社の社屋である場合、共有状態になると事業承継に支障が出る可能性があります。
しかし、改正後は金銭での解決が可能となり、このような複雑な状況を避けられるようになりました。

□相続法改正前後の遺留分の消滅時効

改正によって変わった部分もあれば、変わっていない部分もあります。
ここからは、改正前後で変わっていない遺留分の消滅時効等についてご紹介します。

1.消滅時効の継続
相続法の改正によっても、遺留分の請求権に関する消滅時効は変わっていません。
具体的には、遺留分侵害額請求権は、相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から一年間行使しないと、時効によって消滅します。
このルールは、2019年7月1日からの改正後も変わらず継続して適用されています。

2.除斥期間について
遺留分の請求権に関する除斥期間も、改正前後で変わっていません。
具体的には、「相続開始の時から十年を経過したとき」に、遺留分の請求権は消滅します。
この点についても、特に注意が必要です。

□まとめ

相続法の改正により、遺留分制度には多くの変更点がありました。
特に「遺留分侵害額の請求権」への変更は、相続における多くの問題を解決する可能性があります。
しかし、遺留分の請求権に関する消滅時効や除斥期間は、改正前後で変わっていないため、これらについてもしっかりと理解しておく必要があります。
この記事が、相続法の最新の改正について理解を深め、適切な対応や計画を立てる一助となれば幸いです。