相続の手続きは多くの人にとって複雑で難解なプロセスです。
特に期限がある手続きは、放置すると予想外のデメリットに直面する恐れがあります。
本記事では、相続手続きの期限と期限内に手続きを完了できなかった場合の具体的なデメリットを紹介します。

□相続の手続きには期限がある場合もあります！

＊必要書類の提出

まず、最初のステップとしては、故人の死亡届や火葬許可申請書の提出があります。
これらは故人が亡くなってから7日以内に行わなければなりません。

次に、年金受給の停止手続きや健康保険の資格変更なども急ぎ行うべき事項です。
これらは14日以内に完了させる必要があります。

特に、健康保険の資格変更は、家族構成が変わることによって保険の内容も変わる可能性があるため、速やかな対応が求められます。
相続放棄や限定承認は、遺産の扱いに直接関わる重要な手続きです。
これらは相続人が亡くなったことを知ってから3ヶ月以内に行う必要があります。

また、亡くなった方の準確定申告は、その人が生前に税務上の責任を果たしていたかどうかを確定するために必要です。
これは4ヶ月以内に行う必要があります。
相続税の申告や納付は、遺産の総額に応じて行う必要がある手続きです。
この期限は10ヶ月以内とされています。

さらに、遺留分侵害額の請求や生命保険の受け取りなど、その他の手続きも存在します。
これらは故人の遺した財産の中で特に注意を要する部分であり、期限内に適切に処理することが重要です。

＊期限の起点

相続手続きの期限の起点は、「相続があったと知った日」から計算されます。
多くの場合、これは故人が亡くなった日と同日となりますが、例外的な状況も考慮されるため、この点には特に注意が必要です。

故人の死亡が遅れて知らされた場合など、期限の計算に影響を及ぼすことがあります。
このため、相続に関わるすべての関係者は、情報を正確に把握し、速やかな対応を心がける必要があります。

□手続きが期限内に終わらなかった場合はどうなる？

1:税金の軽減制度の利用不可

相続税の申告・納付が10ヶ月以内に行われない場合、小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減などの税金軽減制度が利用できなくなります。

2:延滞税の発生

相続税を期限内に納付しなければ、納期限の翌日から完納する日までの延滞税を支払わなければなりません。

3:新たな相続が発生するリスク

相続手続きが終わらないうちに相続人が亡くなると、新たな相続が発生するリスクがあります。
これにより、相続手続きがより複雑になります。

□まとめ

相続の手続きは一見煩雑に感じられるかもしれませんが、期限内に適切に処理することで、税金の軽減や手続きの複雑化を避けられます。
相続が発生した際は、適切な期限内に必要な手続きを行い、無用なトラブルを防ぎましょう。